2013年のダフト・パンクの津波の影響を受け、そのレコードに関わったチームが一緒に作業しています。そのコラボレーションの結果のトラックの一つは、ファレル・ウィリアムスのレコード「Gust Of Wind」としてリリースされました。ファレル・ウィリアムス、ダフト・パンク、ミック・グザウスキーは、多様性に富んだ興味深いチームであり、「Gust Of Wind」は古さと新しさの素晴らしいミックスです。詳しく調べてみましょう。
こちらで聴く:iTunes: https://itunes.apple.com/album/g-i-r-l/id823593445
Spotify: https://play.spotify.com/track/1DylszI7qE7CB0yNugUxV6
構造的には、曲はファレルの特徴的なシュッとしたイントロから始まり、ストリングスのフック(リアルなストリングスですよ、皆さん)に流れ込みます。
最初のヴァースは前コーラス(ストリングスが戻ってくる部分)に続きます。コーラスはダフト・パンクのボコーダーのラインによって運ばれます。そして、その後にはまた後コーラスのようなクールな部分があり、また後で再び耳にすることでしょう。それからセカンドヴァースに進みます。セカンドプレコーラスはまったく異なるメロディーとボーカルの形がありますが、セカンドコーラスは基本的にファーストコーラスのコピー・ペーストバージョンであり、後コーラスの部分も同様です。次に、本物のブリッジセクションに入る感覚があり、リバーブに浸った合唱団がファーストプレコーラスを繰り返した後、もう一度コーラスが続きます(ボコーダーからのブリードが毎回コーラスへの素晴らしい移行になることに注目してください)。今や私たちは、コーラスがボコーダーと「アフターコーラスパート」から成り立っていることに気づきます。曲はブリッジ部分の繰り返しとオールドスクールなフェードアウトで締めくくられます。
音響的には、この曲はダフト・パンクの2013年のヒットレコードに少し力を加えた感じです。ミック・グザウスキーによって、まずは自宅でミックスされ、それからLAのコンウェイスタジオに持ち込まれ、Neve 88r、Avalon EQ、Neve 33609コンプレッサー、および1/2インチテープを通して処理されました。これは中規模のセッションでした(ミックが私に見せたとき、72のオーディオトラックをカウントしましたが、外部ルーティングトリックやオックスリターンは含まれていませんでした)。ほとんどの楽器は別々のトラックに収録されていましたが、ストリングスは3つにプリミックスされたステレオペアとして収録されていました。ミックはステムでミックスしたため、ダイナミクスを生かしながら、圧縮されたレコードと並べて再生可能なミックスを提供しました。
トラックの底は最も興味深い部分です。ベースが非常に前面に出ており、しっかりとした存在感を持っています。メインのバスドラムはその上に位置し、邪魔にならずに突き出しています。素晴らしいパズルです。最も良い部分は、4拍目の「and」でヒットする調整された808バスドラムです。チェックしてみてください。これにより、ベースはリリカルになりつつもボトムを失うことがありません。非常にスマートな制作です。このようなことが、曲をより早く、ふくよかに、そしてトリックを少なくしてミックスするのを助けます。しっかりしたベースプレイにも注目してください。これは、本格的なキーボードプレーヤーによって演奏されたベースサンプルです。コピー・ペーストではなく、常に少しずつ変化していて、レコードを生き生きとさせ、何度も楽しく聴くことができます。サンプルであることがわかるのはすべてのアタックが完全に同じであるからです。
スネアは実際には骨のようにドライですが、クラップは非常にステレオな大きなリバーブを通しています。これにより、トラックに前後の質感が生まれます。これはヴァースで最も聞き取りやすく、2つの対比が全体のミックスに対して巨大な空間を生み出しているのが見えます。スネアは実際にはコーラスからハットパターンと共に落ち、それによりバスドラムとクラップだけが残り、リズムセクションの動きが完全に変わります。
リズムセクショントラックをまとめるために、チックスタイルのギターがあります。これはグルーヴにわずかな突然性を与えるためにデザインされた非常にスパースな部分です。ギターが動的にパンされていることに注目してください。真ん中に1つ、右に1つ、左に1つです。クールなアイデアです。そして、より多くのスペースが生まれます。
左側には、フレーズを強調するためのクールなリフトラックも入っています。メインのものとはわずかに異なります。どちらも非常にドライです。
キーボード的には、曲にヴェルヴェットを与えるローズが使われています。非常に控えめで、非常にステレオで、おそらくモノトラックに短いディレイを使用しているため、モジュレーションが表示されていません。この部分はグライディングモーションを提供し、スタッカートギターとよく相互作用します。
イントロでは、中心にグリッドを提供するクールなオープンフィルターのスクエアウェーブパッドがあります。プレイ中にスムーズにパンします。ヴァースでの欠如は、イントロとヴァースの間に素敵な移行を生み出します。ポストコーラス部分にも再び現れますが、それらは基本的にボーカルのないイントロと同じです。あるいは、ボーカルのないポストコーラス部分がイントロの同じ部分である可能性もあり、これはこの種の音楽で長い間プロデューサーによって使用されたオールドスクールのトリックです。
また、ヴァースのペダルを保持している非常に軽い合唱スタイルのシンセもあります(これは後にブリッジでも効果的に再利用されます)。
ストリングスは、全体のトラックのサウンドを定義するもので、ハンス・ジマーによってアレンジされています。本物であることがわかります。それは少し押し引きしていて、完璧にクオンタイズされていません。サンプルによって強化されていますが、メインのトライは本物のオーケストラです。ラインの終わりの部屋の音に注意してください。それには、サンプルストリングスだけでは得られない特定の色合いがあります。また、ソースとしてプレートスタイルのリバーブテイルもあります。このような色合いを現代のポップトラックで聴くのは非常に興味深いです。
ボーカルは非常にクラシックな方法で処理されています。ボーカルにはリバーブとディレイがかかっています。おそらく四分音符の長いフィードバック付きと非常に長いプレートのようなリバーブが使用されています。各部分での定常的なものでありながら、周囲の素材によって影響を受けます。たとえば、ミックはプレコーラスでボーカルを微妙に上げることを選択して、曲に持ち上がりを生み出しました。そこでのボーカルは少しドライに聞こえますが、ボカールを吸収するパッド素材が入っているからです。
コーラスでは、ボーカルはダフト・パンクの精巧なボコーダー作業とマルチトラックのファレルのユニゾンセットから成り立っています。ファレルのボーカルがボコーダーに寄り添い、よりアタックを与えている様子をご覧ください。少なくとも2つのボコーダートラックが聞こえます。おそらくもっとありますが、ミックにはミキシング用に仕上げたコンペ版が送られたため、ラウセッションでも本当に何が起こっているかを見極めるのは難しいです。
ブリッジでは、元々ラップのヴァースとして考えられていたが、後にインストゥルメンタルとして残された部分で、ミックは合唱FXシンセを大量のリバーブに通した後、フランジャーを通してバイブを与えました。興味を持続させるためにボーカルサンプルもここで出現します。すべて非常に控えめですが、実際のボーカルの存在感のギャップを埋めるのに役立ちます。
この曲の素晴らしい点は、すべてが非常にシンプルで空虚に感じられますが、実際にはそう感じさせるために多くの工夫がなされていることです。これは、チームがオールドスクールサウンドを現代的な感覚で復活させている素晴らしい例です。ストリングス、ボコーダー、チックスタイルのギターは私たちの共同音楽的意識の一部ですが、ここでの扱い方が新しい現代的な色合いを与えています。この曲の出所をチェックしたい方には、「Earth Wind And Fire」の「Let's Groove」や「Serpentine Fire」をおすすめします。シャイニージャケットが必要です。
ファブ・デュポン。